月別アーカイブ: 2007年5月

催しもののお知らせ

文部科学省 私立大学学術研究高度化推進事業
学術フロンティア推進事業「日亜・日欧比較演劇総合研究プロジェクト」
日欧・日亜比較演劇国際研究集会
越境する演劇 ”Theatre sans Frontieres”
日時:2007年6月1日(金)〜3日(日)
主催:早稲田大学演劇博物館、フランス マルクブロック大学
場所:早稲田大学小野記念講堂(西早稲田キャンパス27号館小野梓記念館地下2階)
※入場無料・予約不要
日本語・フランス語の逐次通訳あり
■開催にあたって
私立大学高度化推進事業・学術フロンティア「日亜・日欧比較演劇総合研究プロジェク
ト」の最終年度にあたり、その成果発表の一環として、本研究集会を企画しました。こ
の研究事業は、日本とヨーロッパ及びアジアの演劇を比較研究する方法論を追求し、そ
れによって演劇研究のあり方とその評価の普遍性を追求することを最終目的としていま
す。「演劇は世界の共通言語」といわれますが、演劇研究の実質は歴史的・文学劇研究
であり、それぞれの国の固有言語によって行われてきました。したがって演劇作品は国
境を越えて鑑賞されているにもかかわらず、その研究が国境を越えて評価されることは
ほとんどなかったのです。そのような現状を打開し、演劇研究に普遍的な基盤を確立す
るための作業の一つが、今回の研究集会です。この研究集会は、早稲田大学演劇博物館
とフランス・マルクブロック大学との共催により、同大教員団を早稲田大学に迎えて実
施するもので、日仏両国演劇のみならず、中国演劇・ドイツ演劇をも加えた研究発表を
主体としています。マルクブロック大学には非常に充実した演劇研究の拠点があり、フ
ランスでは数少ない日本演劇研究者も在籍します。一昨年度より本館との間で研究交流
事業を定例化することを約束しており、今回はその第2回の大会でもあります。また今
回の研究集会は、日・中・欧の、とくに古典演劇を比較研究するという、本館が計画中
の事業の布石となるものです。
早稲田大学演劇博物館 館長 竹本幹夫
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◆ 6月1日(金)
11:00 竹本幹夫(早稲田大学)  「猿楽における興行の歴史」
11:50 Michel Stanesco << De la conscience mythique à l'esthétique des Mystères >>
      ミシェル・スタネスコ(マルクブロック大学) 「神話的意識から聖史劇の美学へ」
12:40 質疑応答
12:50 昼休み
14:30 三宅晶子(横浜国立大学)「能舞台の機能を利用した能の表現方法」
15:20 コーヒーブレイク
15:40 Sakae Murakami Giroux
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     サカエ・ムラカミ・ジルー(マルクブロック大学)「世阿弥とその狂言論 秘伝を通じて考える」
16:30 質疑応答
16:40 終了予定
◆6月2日(土)
10:00 佐藤和道(早稲田大学演劇博物館) 「川崎九淵と近代能楽史」
10:50 François-Xavier Cuche
      <>
      フランソワ=グザヴィエ・キューシュ(マルクブロック大学)
       「『アカデミーへの書簡』におけるフェヌロンの演劇美学」
11:40 田村容子(早稲田大学演劇博物館) 「民国期京劇の舞台装置について」
12:30 質疑応答
12:40 昼休み
14:30 八木雅子(早稲田大学) 「職業としての俳優」
15:20 Pierre Hartmann
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     ピエール・アルトマン(マルクブロック大学)
     「フランス演劇における封建制の表象 17世紀から19世紀まで」
16:10 コーヒーブレイク
16:30 伊藤洋(早稲田大学)「フランス古典演劇の日本における初期受容」
17:20 質疑応答
17:30 終了予定
◆6月3日(日)
10:00 萩原健(早稲田大学演劇博物館)
      「1920・30年代の日本とドイツにおけるアジプロ演劇−その現代演劇との類縁性について」
10:50 Olivier Neveux
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     オリヴィエ・ヌヴー(マルクブロック大学)
     「時事性の演劇 現代フランス演劇における活動家的叙事演劇の定期的回帰」
11:40 間瀬幸江(早稲田大学演劇博物館)  「額縁舞台と<<彼岸の秩序>>」
12:30 質疑応答
12:40 昼休み
14:30 細井尚子(立教大学)
      「ポピュラー・カルチャーにおける舶来文化の受容−中国越劇と宝塚歌劇を例に−」
15:20 Geneviève Jolly <>
      ジュヌヴィエーヴ・ジョリー(マルクブロック大学)
      「19世紀末におけるテクストと舞台を再考する」
16:10 コーヒーブレイク
16:30 秋葉裕一(早稲田大学) 「日本におけるブレヒト受容−井上ひさしの場合−」
17:20 質疑応答
17:30 終了予定

催しもののお知らせ

下記の催しが予定されています。大学内のことですが、参加は自由です。ぜひご参加く
ださい。
日時:  2007年6月1日(金) 16時30分
場所:  慶応義塾大学日吉キャンパス来往舎シンポジウムスペース
    
第一部: 小栗康平監督最新作『埋もれ木』上映会 16時30分〜18時30分
第二部: 対談「映画を見る眼と今を見る眼」 18時30分〜19時30分
     小栗康平(映画監督) 橋本順一教授(慶応義塾大学)
     司会 小菅隼人(慶応義塾大学)
主催:  慶応義塾大学教養研究センター日吉行事企画委員会
問い合わせ先
              hy-happ@adst.keio.ac.jp
以下の小栗康平監督のWEBサイトもご参照下さい。http://www.oguri.info/

2007年度5月例会

日時 5月19日 14時~18時
場所 成城大学 7号館714教室
1 研究発表
村井華代 「バリッシュ『反演劇的偏見』の演劇史構築」
要旨
ジョナス・バリッシュ(Jonas Barish, 1922-98)の1981年の著作The Antitheatrical Prejudiceは、古代ギリシアから1970年代まで、反演劇的姿勢を表した著作や運動を豊富な事例によって紹介しながら「演劇的なるものの本質、つまり必然的に、人間の本質」を描こうとする刺激的な著作である。著者はこれを完璧に連関したクロニクルとして著すのではなく、この領域の森羅万象を有名無名問わず「探検」し「描写」しようとしたのだと言う。が、この反演劇カタログの核となる理念は、実際には明瞭な一定の史観を提示するものであり、それゆえに単なる反演劇文献案内を超えた示唆をも提供することになっている。
この発表では、バリッシュの描いた反演劇理念史──狂信的演劇蔑視論者の言説から
、プラトン、アウグスティヌス、ニーチェらの哲学まで──を概説すると同時に、そこから「反演劇性」の一般的問題を抽出する。殊に注目したいのは、素朴な演劇嫌悪に終わらず、近代演劇の構造変化の起爆剤となった反演劇理念である。例えばハムレットのような反演劇的人間によって導かれる劇作品の登場や、「演劇的悪徳」を排除して純化した演劇等は、どのように伝統的反演劇の文脈の中に位置づけられるか。決して新しい著作ではない。が、ダンスやナマの身体等、ある種の「反演劇的」素材が隆盛を極める現在、この本を再読する意義は小さくないだろう。
発表者プロフィール
西洋演劇理論研究。早稲田大学演劇博物館COE客員研究助手を経て、現在共立女子大
学・日本女子大学非常勤講師。国やジャンルの壁を越えて「演劇とは何か」の言説を扱う。劇評サイトWonderland〈http://www.wonderlands.jp/〉定期執筆者。
2 合評会
「ボイド真理子『静けさの美学 太田省吾と裸形の演劇』(上智大学出版会 2006年
)を読む」
報告者 山下純照
要旨
太田省吾の演劇について書かれた、おそらく最初の研究書である。著者は上智大学比
較文化学科教授。長年にわたりハワイ大学演劇学科のブランドン教授のもとで研究を行なった成果で、英文で書かれている。その主張はほぼ、演劇史には「静けさの美学」という現象があり、それはとりわけ日本の演劇にユニークな現象であって、そのなかで太田省吾の裸形の演劇が特別な位置を占めている、と要約できる。この主張を説明するために、本書は演劇史的概観、太田省吾の全体像の紹介、そして具体例の分析という構成をとる。報告では、こうした構成に沿ってなるべく客観的な紹介を心がけつつ、方法論的および内容的に批判的な読解を試みる。
演劇学者が心血を注いだ好著が相次いでいる。既定路線にかたまった新聞書評欄などからは無視され、あまり熱心な読者に恵まれているようには見えない。こうした現状に一矢報いたい。
報告者プロフィール(やました よしてる)
ドイツ近・現代演劇と日本現代演劇を対象に、理論と歴史、美学と文化研究、戯曲と
上演といった横断的問題領域を開拓。とりわけ「記憶」をキーワードに、二十世紀演劇を研究。過去の仕事はCiNii(論文情報ナビゲータ)から検索可能。千葉商科大学教授。

2006年度例会報告

2006年4月22日
総会
国際研究コロキウム総括 毛利三彌 斎藤偕子 宮崎良久
講演と討論 宮下啓三「ハムレットの沈黙―研究対象としての演劇について思うこと―」
2006年5月27日
堤春恵 「新富座の“土人(アメリカ原住民)”」
日比野啓 「「喜劇」の誕生:曾我廼家五郎・十郎一座の初期の活動を中心に」
2006年7月15日
新沼 智之「ルートヴィヒ・ティークの演劇改革 ― 想像力の演劇」
大浦龍一「バーナード・ショーにおける演劇の『近代』」
2006年9月23日
シンポジウム『寺子屋の東西』
日比野啓 司会
田中徳一「中村吉蔵が見たドイツの『寺子屋』」
児玉竜一「浪花座の『マツ』」
小笠原愛「ワシントン・スクエア・プレイヤーズの『ブシドウ』」
2006年10月28日
安田比呂志「18世紀におけるギャリック版『ロミオとジュリエット』の衝撃と功績」
宮崎良久「ギリシア悲劇の視覚的技法-アイスキュロス『アガメムノーン』の場合-」
2006年12月9日
藤岡阿由未「グランヴィル・バーカーの理想「ノーマルな戯曲」とは何か ―1910年『マドラス商店』初演をめぐるプロパガンディズムの行方―」
毛利三彌「イプセンと演劇表現」               
2007年1月13日
北野雅弘 「演劇的ポリフォニーへ向けて~リヴィング・シアターの『アンティゴネ』」
小田中章浩「両大戦間のヨーロッパ演劇における「問題系」としての時間の反転と記憶の喪失」

2007年度4月例会

4月21日 成城大学本部棟3F会議室 14:00~18:00
出席 28名
1 総会 14:00~16:00
昨年度の活動と会計の報告、新運営委員会の紹介、2007年度の活動と予算の審議、その他、今後をみすえた運営のありかたについて審議し、いずれも拍手をもって承認された。
次第
① 代表挨拶 毛利三彌
② 2006年度活動報告
例会 山下純照(別紙)
紀要 小菅隼人
小菅氏より、紀要第6号(2006年度分)が間もなく刊行になること、5月例会には配布可能であること、ただし郵送配本は6月の大会での配布の後になることが述べられた。
庶務 斎藤偕子・井上優
③ 2006年度決算ならびに監査報告(別紙)
  決算 平井正子
  監査報告 宮下啓三
④ 2007年度運営委員選出
  代表 毛利三彌
  総務 一之瀬正興
  例会 山下純照・小菅隼人・永田靖(学会事務局担当)・小田中章浩(関西例会担当)・日比野啓・井上優・森佳子
紀要 毛利三彌・岩原武則
庶務 斎藤偕子・井上優・安田比呂志
  ウエブ管理 日比野啓
  会計 平井正子
  監査 宮下啓三
⑤ 2007年度活動計画
長期的展望 事務局・総会開催場所:一之瀬 
例会 山下純照(別紙)
紀要 毛利三彌(別紙)
庶務 井上優
ウエブサイト作成 日比野啓
新たなに分科会としてのウェブサイトを立ち上げる。目的は、ふだん例会に出席の難しい遠方の会員への迅速な情報提供など。
⑥ 2007年度予算 (別紙)
平井正子
⑦ その他
叢書計画 毛利三彌
2 講演会と討論 16:00~18:00
講師 斎藤偕子
講演題目 祭祀 ー儀礼と神話― と演劇
――Ritual<CeremonialActsandMyths/LegendaryStories>&Theatre――
要旨
 中心のキーワードは「祭祀」と「演劇」だが、ただ、広い意味で一般的に用いられている用語に含まれる本質的な要素として、社会的文化的な「行為」の面と、芸術作品として存在するときに内包する「構造」の面に目を向けて、両者の関係を語ってみたい。
 私自身の演劇観の底流に常にある考え方だが、出発点に構造主義的観点があり、その上で濃く影響を受けた文化人類学にはC.Levi-Strauss,M.Eliade,L.Laglan,V.Turnerなどのいくつかの著作がある。自己流に咀嚼しているという批判や、このような文化人類学は旧いという批判に晒されてみようという意味で、問題提起的な発表にしたい。