月別アーカイブ: 2009年4月

西洋比較演劇研究会総会・例会のお知らせ

新年度最初の例会のご案内です。
総会に引き続いて今春開かれた、上半期最大の演劇イベントの一つといっていいフェス
ティバル/トーキョー2009に関しての討論を行います。積極的にご参加ください。
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4月総会・例会のご案内 
日時 4月25日 14:00-18:00
会場 成城大学 7号館3F 731教室
第1部 総会 14:00〜15:00
第2部 舞台報告と討論 ――フェスティバル/トーキョー(2009春)の2演目から―
― 15:00〜18:00 
 司会 井上優
 1) ロメオ・カステルッチ「Hey Girl!」をめぐって
  報告・討論 村井華代・大崎さやの 
 2) リミニ・プロトコルの実践をめぐって ――『カール・マルクス:資本論 第
一巻』を中心に
  報告・討論 萩原健・山下純照
<内容>
第1部 運営委員の改正、2008年度の活動・会計報告、2009年度の活動・予算計画など
を行います。
第2部
1)2009年春、フェスティバル/トーキョーで初来日を果したロメオ・カステルッチの
『Hey Girl!』は、途方もなく高度な舞台工学と緻密な象徴表現で観客の度肝を抜いた
。どろどろと寝台から流れ落ちる「肉」、その中から全裸の少女が起き上がる冒頭場面
は、悪夢のようでありながら、どことなく優しげでもあった。生の身体と加工された身
体、断片的な言語テクスト、そして圧倒的な象徴の連続。このような舞台を生み出すド
ラマトゥルギーとはどのようなものか。今回の例会第二部前半では、フェスティバルで
通訳を担当した大崎さやの氏の談話を交えつつ、舞台映像とともに村井がこの舞台の構
造分析を試みる。また、1960年生まれのカステルッチと彼の率いるカンパニー「ソチエ
タス・ラファエロ・サンツィオ」は、イタリア、もしくはイタリア演劇の同時代的状況
とどのように関係付けられるのか。今年秋の同フェスティバルでは早くも彼らが再登場
、三つの劇場で『神曲 三部作』を連続上演する。今年最大の注目を浴びるカンパニー
について、多角的に言及したい。(文責 村井華代)
2)舞台芸術祭「フェスティバル/トーキョー」のオープニングを飾ったのが、リミニ
・プロトコルの『資本論』だった。このパフォーマンス集団については、昨年の同フェ
スティバルにおける『ムネモパーク』の好評もあり、さらにその前には、われわれの研
究会メンバーが訳出した論集『演劇論の変貌』でChristopher Balmeの論文が取り上げ
ていたことなどもあって、かなり突出した創作集団として注目が集まっていると言って
よいだろう。今回はパネル・ディスカッションという形でリミニ・プロトコルの実践の
意味について、『資本論』を焦点にして議論したい。まず山下純照が、これまでのリミ
ニ・プロトコルの活動の概要を紹介する。次に、東京公演において字幕制作者・字幕操
作出演者(!)として一つの中心的な役割を演じた萩原健が、『資本論』の内容を概括
した上で、みずからの参加経験を振り返って、今回の上演の意義を抽出し、議論のポイ
ントを提起する。それらの論点について、山下と萩原のあいだで、ベーシックな討論を
行い、最後に参会者全員で議論を展開したいと考える。(文責 山下純照)
報告・討論者プロフィール
村井 華代(むらい はなよ)
共立女子大学文芸学部専任講師。西洋演劇理論を国別によらず横断的に扱う。近年は記
号論による神学と反演劇性の関連付けに取り組んでいる。共著:『現代ドイツのパフォ
ーミングアーツ』『20世紀の戯曲』。
大崎さやの(おおさき・さやの)
東京大学大学院にて博士(文学)。トリノ大学、ヴェネツィア大学に留学。東京大学、
明治大学、日本橋学館大学等にて講師。専門は18世紀イタリアの文学と演劇。訳書『ア
ルフィエーリ 自伝』(共訳、人文書院)。ゴルドーニ台本オペラ《月の世界》翻訳。
論文「ディドロの演劇理論に見られるゴルドーニの影響」(『西洋比較演劇研究』)。
近著に『オペラ学の地平』(共著、彩流社)、『イタリアのオペラと歌曲を知る12章』
(共著、東京堂出版)等。
萩原 健(はぎわら・けん)
明治大学国際日本学部専任講師。20世紀以降のドイツ演劇(特に演出の歴史)および関
連する日本の演劇。『演劇学のキーワーズ』『オペラ学の地平』(以上共著)、『演劇
論の変貌』(共訳)ほか。ドイツ語圏からの来日公演の台本翻訳・字幕制作多数。
山下純照(やました よしてる)
ドイツ語圏に重点をおいた演劇および演劇理論研究。20世紀末のドイツと日本の演劇に
おける記憶の問題に取り組む。2009年4月より成城大学文芸学部教授。現在日本演劇学
会理事・紀要編集委員。