月別アーカイブ: 2012年11月

西洋比較演劇研究会回覧

会員の根岸徹郎さんより日仏会館で開かれる講演につきまして回覧依頼がありましたのでお知らせします。

◆講演会
「錬肉工房『女中たち』上演の軌跡」
岡本章(「錬肉工房」主宰、明治学院大学教授)
                       
会場:日仏会館 5階501号室(恵比寿駅(JR)東口より徒歩8分)
日時:12月1日(土)17時30分〜19時30分

錬肉工房では2005年よりジャン・ジュネの『女中たち』の上演を試み、その後2010年、2012年とかたちを変えながら、上演が継続されてきました。今夏はルーマニア(シビウ国際演劇祭)、モルドバ(イヨネスコ劇場ビエンナーレ)での招待公演を行われたばかりです。今回は、今日に至るまでの『女中たち』 の「上演の軌跡」について、貴重な映像上映も差し挟みながら、ご講演をいただく予定です。講演は会員以外の方もご来場可能ですので、周囲の方にぜひお声をかけください(予約不要・入場無料)。

※講演会終了後、有志による懇親会を予定しております。是非ご参加ください。
問合せ先:日仏演劇協会事務局
〒101-8425 東京都千代田区神田神保町3−8
専修大学 1009研究室(根岸徹郎)気付 
Eメール office[アットマーク]sfjt.sakura.ne.jp (堀切)

西洋比較演劇研究会12月例会のお知らせ

連続シンポジウム「スタニスラフスキーは死んだか?」第一回・スタニフラフスキー・システムの歴史的検証

日時 2012年12月15日(土)14:00~18:00
会場 成城大学7号館3階732教室

司会・問題提起:井上優(明治大学准教授)
講師:浦雅春(東京大学大学院教授)
講師:堀江新二(大阪大学大学院教授)

俳優は内面で実際に感じる感情をもとに演技しなければならないという主張は、ドゥニ・ディドロ「俳優に関する逆説」(1758)をはじめとしてたびたび批判されてきたにもかかわらず、今でも多くの国の演劇・映画における演技術の土台として受け入れられている。一方、20世紀初頭のロシアにおいて誕生したスタニフラフスキー・システムは、俳優の「役作り」の方法論を体系化することで、演技=俳優の内面という言説の有効性を確証したと考えられているが、現在演劇研究の場だけでなく、演劇教育および実践の場においても顧みられることはあまりにも少ない。スタニフラフスキー・システムは本当に「死んだ」のだろうか? 2012年末から2013年にかけて、日本演劇学会分科会・西洋比較演劇研究会ではスタニフラフスキー・システムの可能性と限界について研究者や実践家が熱く語る連続シンポジウムを開催する。

第一回:スタニフラフスキー・システムの歴史的検証
第二回:日本におけるスタニフラフスキー・システムの展開とその可能性
第三回:スタニフラフスキー・システムの「超克」

記念すべき第一回はスタニフラフスキー『俳優の仕事』をロシア語版から完訳した共訳者である浦雅春・堀江新二両氏を迎えて、スタニフラフスキー・システム成立の歴史的経緯を考察する。

会員以外の参加を歓迎します。参加費等不要ですが、会場整理の都合上、参加ご希望のかたは前日までにメール(constantin[アットマーク]comparativetheatre.org)でご連絡ください。

1. 問題提起:井上優「さまざまなスタニスラフスキー」

スタニスラフスキーは単一ではない。スタニスラフスキー自身の中でシステムに関する考え方が変化しているからあるのは言うまでもなく、それを受容する国や地域の事情によっても、システムは(恣意的であるにせよ無意識であるにせよ)修正され改変されている。
結果として、スタニスラフスキーの継承者を自負する(あるいは周囲にそうみなされている)者たちによって、「さまざまなスタニスラフスキー」の乱立が引き起こされることになる。
たとえば、有名な話だが、コミサルジェフスキーは彼自身モスクワ芸術座に一度もいたことはないにもかかわらず、フランスやイギリスではスタニスラフスキーの継承者であるかのように扱われる。アメリカのメソッド・アクティングにおいても、指導者たちが互いを批判しつつ、それぞれがスタニスラフスキー・システムの継承者であることを主張している。
それは、もちろん、歴史的過去の出来事であるばかりではなく、現在形の現象ともいえる。それを批判しても益はないだろうが、少なくとも、その事実を認識したうえで、そうした複数形のスタニスラフスキーを、「それでもスタニスラフスキーである」のか「もはやスタニスラフスキーではない」のか、あるいは、その観点からの検証が可能なのか、不可能なのか、というような問いかけを行うことは意義があるだろう。その観点から、いくつかの事例を引用しつつ、シンポジウム全体への司会者からの問題提起としたい。

発表者紹介
明治大学准教授。専攻は演劇史・演劇理論全般。最近の論文に「今なぜ岩田豊男なのか—岩田豊男の演劇論を読む」(『演劇の課題』三恵社)、「一心太助は朝日を背に日本橋を渡る —『家光と彦左と一心太助』 (1961)の背景にあるもの」(『日本橋学研究』第五号)他。


2. 発表:浦雅春「スタニスラフスキーかメイエルホリドか」

 20世紀の演劇は2つパラダイムを軸に展開してきた。ひとつはスタニスラフスキーが作り上げた俳優術、いわゆるスタニスラフスキー・システム、もうひとつはメイエルホリドの編み出した身体操作術である。スタニスラフスキーが人間の心理・感情を掘り下げ、舞台上で「生きる」には役者にどのような手立てがあるのかを探求し、そこから「サイコテフニカ」という技術を生み出したとすれば、メイエルホリドは心理と感情を排除した身体に演劇の可能性を拓く「ビオメハニカ」を提唱した。
 もともと芸術座でスタニスラフスキーの弟子であったメイエルホリドが、芸術座の演技のあり方を自然主義、たんなる現実の忠実なコピーにすぎないと痛烈に批判し、それに対抗するものとしてコンヴェンションに基づく「制約劇」という概念を打ち出したことから、このふたつのパラダイムはとかく対立的にとらえられてきた。精神−身体、生−機械、真実−約束事という二分法のなかにあって、つねにスタニスラフスキーは前者に位置づけられ、メイエルホリドは後者に括られてきた。「真実らしさ」や「人間の精神」といった、いささかいかがわしい用語を駆使するスタニスラフスキーは旧弊で保守的に映り、心理や情緒とはすっぱり縁を切ったメイエルホリドの演劇は「革新的」だと思われてきた。たしかに論点を明確にするためには、このような単純な二分法も有効であるにはちがいないが、この図式からこぼれ落ちるものも多い。いまこそ問われるべきは、はたしてスタニスラフスキーはそれほど心理主義に傾いていたかという問いであろう。

発表者紹介
東京大学大学院教授。著書に『チェーホフ』(岩波新書、2004年)、訳書にチェーホフ『桜の園/プロポーズ/熊』(光文社古典新訳文庫、2012年)、ブローン『メイエルホリド 演劇の革命』(水声社、2008年、共訳)、スタニスラフスキー『俳優の仕事』全3巻(未来社、2008年、共訳)他。

3. 発表:堀江新二「等身大のスタニスラフスキー—USバイアス・USSRバイアスを超えて」

 スタニスラフスキーは、その演技術を俳優学校の授業として確立しているが、それは40年近い紆余曲折の実験の日誌である。その一部を肥大化して取り出すと、様々なバイアスがかかってしまうが、その実態をロシアとアメリカの俳優教育を例に考えてみたい。そのために、まずモスクワ芸術座でのチェーホフ演劇以降、1938年に亡くなるまで、演技論や俳優教育の考え方にどのような変化があったのか、いくつかの例を取り上げて、スタニスラフスキーの心身論の実態に迫ろうと思う。そして、実際の俳優教育の現場での経験(モスクワ・シューキン演劇大学とアメリカ・イエール大学などでの)を通して、いわゆるスタニスラフスキー・システムの受容のあり方を考える。その際、ロシアでもアメリカでも話題になったオイゲン・ヘリゲルの『禅と弓道』の意味を、ミハイル・チェーホフの演技術・演劇観の日本語への全訳を視野に入れて、触れてみたい。俳優教育自体が軽視されている日本で果たして、こういったことがどのような意味を持つのか、問いかけつつ…

発表者紹介
大阪大学大学院教授。新劇女優だった母の影響で、5歳から60年間俳優の演技を見てきた。ロシアで本物の俳優に出会えたことが、無上の喜びだが、日本に帰ると絶望感に。2006年、58歳でシューキン演劇大学俳優学科に「特別」入学。著書に『したたかなロシア演劇』(世界思想社、1999年)他。訳書にスタニスラフスキー『俳優の仕事』全3巻(未来社、2008年、共訳)他。

西洋比較演劇研究会回覧

会員の堀真理子さんからご自身の翻訳された公演についての回覧依頼がありましたのでお知らせします。

マーティン・シャーマン作の一人芝居『ローズ』公演のご案内

2012年11月7日(水)~11日(日) (7、8、10は19:00から、9、11は14:00から)
場所 ブレヒトの芝居小屋 (武蔵関駅北口前の道を直進、新青梅街道につきあたったところの角、駅から徒歩6分)

演出 高瀬久男 (文学座)
出演 志賀澤子 (東京演劇アンサンブル)
翻訳 堀真理子

旧ソビエトの村に生まれたユダヤ人女性ローズの波乱万丈の人生の物語です。20世紀のユダヤ人の悲劇の歴史が一人の女性の人生に集約されています。

チケット取扱い TEL 03-3920-5232 FAX 03-3920-4433(東京演劇アンサンブル)
        rose.ticket@gmail.com

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西洋比較演劇研究会回覧

毛利先生よりご自身のお芝居について回覧依頼がありましたのでお知らせします。

(以下貼り付け)
西洋比較演劇研究会会員のみなさん

名取事務所によるイプセン現代劇連続上演も、この11月の「野がも」が最後になります。
学生券は2000円なので、よろしくご宣伝ください。

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