月別アーカイブ: 2014年5月

『西洋比較演劇研究』(14:2)投稿募集(締切:2014年10月31日)

『西洋比較演劇研究』は年一回三月末に刊行される、査読付きの電子ジャーナルです。科学技術振興機構が運営する日本最大級の総合学術電子ジャーナルサイトJ-Stageに格納され、無料で閲覧・ダウンロードが可能です。

2015年3月末に公開予定の、第14巻第1号(英文号)および第14巻第2号(和文号)の原稿を募集します。締切は2014年10月31日です。

年会費3000円を支払い、西洋比較演劇研究会の会員になることで投稿資格が得られます(親学会の日本演劇学会に所属する必要はありません)。匿名の査読者は二名あるいはそれ以上で西洋比較演劇研究会会員であるかどうかを問わず、その分野の専門家かなるべくそれに近い研究者が査読にあたります。掲載不可とされた論文については詳細なコメントつきで返却されます。掲載可とされた論文について付された修正意見・参考意見については必要があれば査読者との議論を編集委員会が仲介します。その他詳細は投稿規定・執筆要項をご覧下さい。

2014-15年度編集委員:
小田中章浩(大阪市立大学)
日比野啓(成蹊大学)
山下純照(成城大学)

西洋比較演劇研究会5月例会のお知らせ

今回はご案内がぎりぎりとなり、大変ご迷惑をおかけしました。次のように5月例会を開催いたします。

日時 2014年5月17日(土)14:00-18:00

場所 成城大学7号館723教室(変更になりました)

1 研究発表 山下純照

2 報告 永田靖 

1 研究発表「ドイツ演劇界におけるジョージ・タボーリ受容の変化——衝撃と拒否から肯定へ——」山下純照

演劇学会の最近の会報に寄せた拙稿「研究の視点:バースデイ・パーティ」からも察せられるように、1990年代前半から2007年の死に至るまでの晩年のタボーリは、ドイツ社会のいわば寵児となっていた。個々の演出や新作への手厳しい劇評がなかったわけではない。が、存在としてのタボーリは言わば不可侵の域に達していた。しかし彼は1971年の渡独後、常に好意的な評価を受けてきたわけではなかった。それどころか70年代のドイツ演劇界は全体として、タボーリに対しその先鋭性とドイツの制度になじまない創造スタイルのゆえに拒絶的であった。180度の転換と言えるこのような受容の変化はいかにして引き起こされたのだろうか。今回の発表では、70年代のタボーリを象徴する二つの上演『ピンクヴィレ』(1971年)と『断食芸人』(1977年)、評価転換期の話題作『わが母の肝っ玉』(1978年)と『ベケット・アーベント㈵』(1980年)、80年代後期の成功作『わが闘争』(1987年)とドイツ語圏文学者として最高の栄誉とされるビューヒナー賞の受賞作となった『ゴルトベルク変奏曲』(1991年)に触れながら、上の問いに答えることを試みる。手続きとしては、いくつかのTV映像からのヒントを皮切りに、劇評を最も基礎的な資料として用い、刊行されたテクストに基づく作品紹介をもおこないながら、活動内容の変化と反応の変化を連動させてみたい。仮説の形で、そうした変化とその背景をなす社会文化史との関連を若干展望するところまでを目標とする。 (注 論者はこれまでTaboriの表記を「タボリ」としてきた。しかし、ファーストネームのGeorgeが、ドイツではハンガリー風の「ジェルジ」ではなく、本人のアメリカ帰りを背景とした「ジョージ」であるのに合わせて、ファミリーネームも、同地で呼び慣わされている「タボーリ」に変更することにしたい。)

プロフィール:やました よしてる 専門領域はドイツ語圏を中心とする近現代演劇、および演劇理論。記憶の概念からの現代演劇の再考察を進行中。成城大学教授。日本演劇学理事。

2 報告「文化庁『大学を活用した文化芸術推進事業;劇場・音楽堂・美術館等と連携するアートフェスティバル人材育成事業』について」永田靖

平成25年度に大阪大学文学研究科が中心になって獲得した表記補助金事業について、その簡単な概略を報告し、あわせてそこで明らかになった問題点と可能性について、文化庁事業が示す問題性と同時にその文化政策的な転換を、大学がどのように活用し、人材育成につなげて行くのか、またその際の問題点は何かなどについて、大阪大学文学研究科の事例に即して議論したい。

プロフィール:ながた やすし 専門領域はロシア語圏及び日本の近現代演劇史。アジアの演劇研究のネットワーク構築を進めている。日本演劇学会事務局長、IFTR Asian Theatre WG 主宰。