西洋比較演劇研究会11月例会のお知らせ

今回は会場が明治大学となります。奮ってご参加ください。

2013年11月23日(土・祝)14時-18時
会場 明治大学駿河台キャンパス 研究棟4階 第一会議室
※校舎についてはこちらをご参照ください。
※アクセスについてはこちらをご参照ください。
※リバティタワー正面より左手に研究棟への連絡通路があります。

シンポジウム「復讐の想像力に関する演劇の比較研究:セネカの戯曲と法思想をめぐって」

〈シンポジウムの趣旨〉
今回のシンポジウムは、2013年6月に日本演劇学会全国大会(於・共立女子大学)で行われたシンポジウム「復讐の想像力に関する演劇の比較研究」の続編である。前回のシンポジウムでは古代ギリシャ、エリザベス朝、および16世紀後半のフランスの演劇に見られる復讐について検討した。今回はこれら三つの時代の復讐劇をつなぐ存在であり、西洋演劇における復讐の表象に大きな影響を与えたセネカの戯曲、ならびにその背後にあるローマの法思想について、二人の専門家に論じていただく。

シンポジウム・コーディネータ:小田中章浩(大阪市立大学)
〈コーディネータ・プロフィール〉
大阪市立大学大学院文学研究科教授。専門はフランス演劇、表象文化論。著作に『現代演劇の地層——フランス不条理劇生成の基盤を探る』(ぺりかん社、2010年)『フィクションの中の記憶喪失』(世界思想社、2013年)。

パネリスト1: 玉垣あゆ(名古屋大学)
〈発表要旨〉
セネカの悲劇は、後世の復讐悲劇に大きな影響を与えたと言われる。しかしラテン語において「復讐する」を意味する語ulciscor、u(v)indico、pu(oe)nioが、いずれも「罰する」という懲罰の意味を含んでいるように、彼の悲劇では「復讐(revenge)」と「罰(punishment)」が混在し、翻訳においても訳者の裁量に委ねられていると言える。発表では、劇中の言語に着目し、復讐、及び罰に係わる用語(特に「罰」と訳されることが多いpoena)の用法について詳細に見ていきたい。
〈発表者プロフィール〉
名古屋大学ほか非常勤講師。専門は西洋古典学(主にセネカ悲劇研究)。論文として「セネカの『オエディプス』における運命と意志」(『西洋古典研究会論集』21号、2012)「不実な夫の悲劇——セネカ『パエドラ』についての一解釈——」(比較文化研究106、2013)他がある。

パネリスト2: 林智良(大阪大学)
(1)まず、ごく簡単に法学とフィクション研究の関係を整理して自分の議論の出発点を定める。その際に、林田清明等によりつつ「法と文学」という研究潮流が法学に存在することに言及する。
(2)穗積陳重『復讐と法律』に専らよりつつ、現実の法思想・法制度が一般的には加害に対する報復の程度を制限しており、復讐の連鎖を続けさせない方向を目指したことを説明する。
(3)紀元前5世紀の十二表法における(加害への復仇の)同外報復への限定や元首政期(紀元後2世紀頃)の加害者委付制度などの説明を通じて、ローマ法が諸々の法体系の中でも特に復讐の制限に初期から積極的であったことを示す。その一方で、ユーゴスラヴィアのコソヴォ地方など、血讐を奨励する法体系も近代に至るまでヨーロッパにあった旨を(石部雅亮等によりつつ)示す。
(4)そのうえで、セネカの創造した劇世界に現実のローマ法思想・法制度が有した影響の可能性を、ギリシャ的素材に伏在するローマ的な地金を慎重に見分けつつ、見いだす。
〈発表者プロフィール〉
大阪大学大学院法学研究科教授(ローマ法専攻)。博士(法学)。1962年生まれ。京都大学法学部卒業・京都大学大学院法学研究科博士課程後期単位取得退学。主な著書に『共和政末期ローマの法学者と社会 -変容と胎動の世紀』(法律文化社、1997年)がある。

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