西洋比較演劇研究会12月例会のお知らせ

連続シンポジウム「スタニスラフスキーは死んだか?」第二回・日本におけるスタニフラフスキー

日時:12月7日(土)14:00-18:00
会場:成城大学(教室未定)

司会:井上優(明治大学)
講師:藤崎周平(日本大学)
講師:笹山敬輔(日本近代演劇研究)

「スタニスラフスキー・システムの歴史的検証」と題した第一回(2012年12月)は、浦雅春(東京大学大学院教授)・堀江新二(大阪大学大学院教授)両氏を講師にお呼びし、ロシアで誕生したスタニスラフスキー・システムとは本来どのようなものであったか、そしてロシアや海外で現在までどのように用いられてきた、ということについてお話しいただいた。その概要は電子ジャーナル『西洋比較演劇研究』第12巻第2号「例会報告」に詳しく収められている。

第二回「日本におけるスタニスラフスキー」は、藤崎周平(日本大学教授)・笹山敬輔(日本近代演劇研究)両氏をお迎えして、戦前から戦後にかけて日本でスタニスラフスキー・システムがどのように理解され、受容されてきたかについてお話しいただく。

1. 発表:笹山敬輔「戦前から戦後にかけてのスタニスラフスキーの受容」

演技術は、第一義的には演技をするための「技術」であるが、その背景には多様な思想や文化状況が存在している。そのため、スタニスラフスキー・システムのような西洋の演技術が日本に移入されるときには、その演技術が日本の身体観や心理観に影響を与えるとともに、それ自身も影響を受けて変容することになる。それは、受容者側の理解力不足の結果というよりも、その地域における文化状況との交渉であると言えるだろう。日本におけるスタニスラフスキーの受容を考えるためには、それぞれの時代の文化史研究・科学史研究とも接続しながら、脱領域的に論じていくことが必要となる。
本発表では、戦前から戦後にかけてのスタニスラフスキー受容について、三つの時期に分けて論じていく。最初が1910年代から1920年代で小山内薫を中心に、次が1930年代でプロレタリア演劇を中心に、最後が1940年代以降で千田是也の『近代俳優術』を中心とする。その際には、同時代の「身体」や「心」に対する認識の枠組みと照らし合わせながら論じていきたい。

発表者紹介
筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科文芸・言語専攻修了。博士(文学)。著書に『演技術の日本近代』(森話社、2012年)、「モンタージュ理論と演技術――村山知義の「新しい演技」」(岩本憲児編『村山知義 劇的尖端』森話社、2012年)。

2. 発表:藤崎周平「演技基礎教育におけるスタニスラフスキー的手法の実践-RelaxationとRepetition-」

スタニスラフスキー的手法が、日本の俳優養成の現場でどのように引用され、扱われているのか。特に、俳優の基礎教育における実践について報告したい。ここでいう「基礎教育」とは、実際の役作りの前に行われるものであり、演技を包括的に思考し、行っていくための根拠となりえるような訓練のことである。
今回紹介する2例は、1920年代以降、アメリカで展開したスタニスラフスキー・システムから引用された実践である。1つめは、前期の「感覚の記憶」から、リー・ストラスバーグが開発した《Relaxation》、さらには、いわゆるメソード演技が目指す「身体感覚を研ぎ澄ましていく」ために展開する一連の訓練であり、もう1つは、後期の「身体的行動」から、サンフォード・マイズナーが “相手との関係の中から自らの行動を発見していく”訓練として開発した、《Repetition》である。両者を検討しながら、システムの有効性について検討したい。

発表者紹介
日本大学芸術学部教員 専門は演技方法論及び俳優教育
専門学科で俳優教育に20数年従事する。近著に『新演技の基礎のキソ』(主婦の友社)がある。

西洋比較演劇研究会以外の、一般の方のご来聴を歓迎します。会場整備の都合上、前日までにhibinoあっとまーくfh.seikei.ac.jpにご一報ください。

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