西洋比較演劇研究会1月例会のお知らせ

西洋比較演劇研究会1月例会のご案内
数年の暖冬をくつがえす、まともに寒い冬ですが、皆様ますますご健勝と存じ上げます

さて2009年度最後の例会です。能とワイルド、という西洋比較ならではの2つの組
み合わせとなりました。ぜひともご参加くださいませ。なお例会後今年度の正規の懇親
会をひきつづいて持ちます。事前申し込みなど入りません。お待ちしています。
日時 1月23日(土)14:00〜18:00
場所 成城大学3号館3F 小会議室
1 ルクサンドラ・高野=マルジネアン 「世阿弥の作品における<統一イメージ> 
− 現代と中
世における解釈方法を巡って」
発表者プロフィール:ブカレスト生まれ。ブカレスト大卒(日本語・英語専攻)。1992
年以降日本留学(早大)、教員(金城学院大)を経て、現在出身地のクライオヴァ市に
ある国立大学で日本語日本文化の集中講義を行う。研究テーマは「日本演劇における伝
統の創造」、世阿弥の能および近松の世話物に関する論文多数。博士論文を日本語・ル
ーマニア語バイリンガルヴァージョンで母国の出版社から近刊予定。
2 日 真帆 「錯綜する知覚世界?ワイルド作『サロメ』に関する一考察ー」
要旨
 オスカー・ワイルド(Oscar Wilde, 1854-1900)による悲劇『サロメ』(Salom?, 18
96)は、1892年にサラ・ベルナール(Sarah Bernhardt, 1844-1923)の主演によりロン
ドンでの初演の準備が進められたが、宮内長官の命により上演が禁じられた結果、初演
はパリにて1886年に漸く実現し、英国での初演は更に遅れて1905年となった。このよう
に、『サロメ』は初演以前から物議を醸し、賛否両論が寄せられたが、その影響力は甚
大且つ広範に及び、翻案も文学からオペラや舞踊に至る迄多岐に渡るジャンルで生み出
されてきた。
 ワイルドは劇作に当たり、当初は何編もの悲劇作品を書いたが十分な評価が得られず
、劇作家としての地位を確立したのは初演と同時に高い評価を得た後期の喜劇作品を通
してであった。そのような中で、『サロメ』は異彩を放つ存在である。
 これまで翻案研究を含め多くの研究が為されてきた本作ではあるが、本発表では今一
度原点に立ち返り、悲劇『サロメ』の作品研究を行う。その際、作品を読み解く鍵とし
て、冒頭を飾る「見る」という行為を筆頭に知覚に関する要素に着眼し、登場人物の知
覚世界が如何に錯綜して悲劇が展開するかを考察したい。
発表者プロフィール:日 真帆(ひだか まほ)
清泉女子大学文学部専任講師。オスカー・ワイルドを中心に演劇研究を行う。
主要業績:単著 The Theatrical World of Oscar Wilde、共著『英国演劇の真髄』、『
シェイクスピア、コングリーヴ、ワイルド』、『英国演劇論叢』、解説・ワイルド年譜
『ドリアン・グレイの肖像』(光文社古典新訳文庫)。

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